男性の検査

問診

女性同様、[不妊症]の原因を探る大切な情報源。詳しく正しく答えましょう。

 先に記入しておいた問診票を見ながら、医師と直接話をします。 立ち入ったことを聞かれることもありますが、大切な情報源ですから、女性の場合と同様に、質問には正しく答えましょう。

 過去にかかった病気のこと、幼児期の[停留精巣][鼠経ヘルニア]の手術経験の有無、 思春期以降の[流行性耳下腺炎(おたふく風邪)]に罹患したかどうか、 またセックスレスや[勃起障害(ED)]になっていないか、などをうかがいます。

 問診票のサンプルを掲載しますので、参考にしてください。

> 問診票サンプルを見る

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視診・触診

男性外性器を見たり触ったりして状態を把握します。

 男性外性器を見たり触ったりして、精巣(睾丸)精巣上体(副睾丸)の大きさや発育程度を確認したり、 奇形や異常など、[不妊症]の原因になるトラブルがないかを診察します。 精巣上体(副睾丸)や精管などの硬さや腫れ、精巣容積(正常は16・以上)や[精索静脈瘤]の有無を調べたりもします。 前立腺精嚢の硬さや圧痛も触わって調べます。

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精液検査

精液=精子ではありません。精子の他、さまざまな分泌物が含まれています。

 精液とは、男性生殖器でつくられる精子を含んだ液のこと。 前立腺精管精巣(睾丸)精巣上体(副睾丸)精嚢からの分泌物でできています。 これらのバランスがとれている正常な精液は、乳白色で適度の粘度があります。 ほどよい濃度であれば、指でとって伸ばしたときに2〜3cmくらい糸を引き、 射精後60分以上放置すると液化が起こります。

WHOでは、正常な精液の基準を定めています。

 WHOでは、正常な精液の状態を次のように定めています。

・1回に射精される精液の量:2ml 以上
・精子濃度(1ml 中の精子の数):2000万個 以上
・精子の運動率:動いている精子が50%以上あって、そのうち高速でまっすぐ進む精子が25% 以上
・正常な形態の精子が占める率:30% 以上
・生存している精子が占める率:75% 以上
・白血球数(炎症があると増加):1ml中 100万個 未満

異常の場合、詳しい検査は泌尿器科で男性不妊に力を入れている病院でも受けられます。

 精液検査の結果が基準値に満たなかった場合、 原因をさぐるために精子をつくっている精巣をさらに詳しく検査します。 この場合、提携している泌尿器科で検査を受けることになりますが、 男性不妊に力を入れている病院なら検査を受けることができます。

> 精液・精子について

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ホルモン検査

男性でも女性と同じホルモンが分泌。ホルモン検査で精巣の状態がわかります。

 男性と女性では、まったく違うホルモンが出ていると思う人も多いようですが、決してそうではありません。 視床下部から分泌されるGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)と、 脳下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)LH(黄体化ホルモン)という性ホルモンは、 女性でも男性でもまったく同じものが同じように出ているのです。

 脳下垂体から分泌されるホルモンは、精巣での精子の生産量をコントロールしています。 分泌が低下すると、性的能力も低下。精子の生産も少なくなります。

 男性のホルモン検査では、脳下垂体や精巣から出ている男性ホルモン(テストステロン)・ FSH・LH・PRL(プロラクチン・乳汁分泌ホルモン)などの量を測定。 精巣や下垂体の機能、高プロラクチン血症の有無などを調べます。

 精巣の精子を作る機能に問題があると、血中のテストステロンが低下してFSHやLHが上昇。 FSHは高すぎても低すぎても[精子形成障害]が疑われます。 PRLが高い場合、視床下部や脳下垂体の疾患が考えられます。

 各ホルモン正常値は以下の通りです。

◆性腺機能
 男性ホルモン(テストステロン)     250−1100(ng/dl)
◆下垂体
 PRL(プロラクチン・乳汁分泌ホルモン) 1.5−9.7(ng/ml)
 LH (黄体化ホルモン)         1.8−5.2(mIU/ml)
 FSH(卵胞刺激ホルモン)        2.9−8.2(mIU/ml)

染色体検査

染色体検査は、高度の乏精子症や無精子症の場合にすすめることの多い検査です。

 染色体検査は、高度の[乏精子症][無精子症]の場合に、すすめることの多い検査です。 血液を採取し、培養して血液中のリンパ球にある染色体を調べます。 これによって、[クラインフェルター症候群][ロバートソン転座][逆位]など、[染色体異常]の有無がわかります(下記参照)。 性染色体や常染色体の異常は、男性不妊のおよそ2〜3%にみられます。

◆クラインフェルター症候群

 男性のみに発生する性染色体異常では最も頻度が高く、男性の600〜1,000人に1人の割合で見つかるとされています。
 性染色体のX染色体が1本多いという、過剰なX染色体によって起きます。 このため、精巣が大きくならならず、男性ホルモンも少なくなります。
 すると、出生時の外見は正常ですが、思春期に第二次性徴が発達せず、 陰茎や睾丸が小さい、恥毛、腋毛、ヒゲが欠如するなどという状態がみられるようになります。 多くの人は、正常な性行為ができ射精能力も普通ですが、 つくり出される精子の数が極端に少なく、[不妊症]に至るケースが多くみられます。

◆ロバートソン転座

 2種類の染色体の短腕が脱落し、長腕同士が接合する状態のこと。 障害が起きるケースは少ないようです。 生殖能力については、伝子数が正常にならないため、 出生確率はゼロといわれています。

◆逆位

 染色体上の遺伝子の配列順序が、部分的に逆転した状態のこと。 染色体の含まれている遺伝子が欠けているわけではないので、 異変が起こったとしても目鼻立ちが違う程度の正常範囲内の変異と考えられています。 機能的には正常な染色体といえるので、精子も正常ということができます。

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精巣生検査

無精子症といわれてもあきらめないで。この検査で精子を見つけることもできます。

 精巣生検査とは、精巣の機能を調べる検査。 略して、精巣生検ともいいます。 精液検査で、[重度乏精子症][無精子症]などの結果が出た場合に行います。

 検査方法は、次の通りです。

(1)陰嚢に局部麻酔をした後、0.5〜1cmほど切開
(2)精細管の組織を少量採取
(3)(2)で採取した組織をすぐに顕微鏡で確認
(4)(3)で精子が見つからない場合は、さらに左右の精巣から3か所ずつ採取
(5)切開した場所を糸で縫合

 この検査で、精子の通り道に障害がある[閉塞性無精子症]の場合はほぼ100%、 精巣にダメージがある[非閉塞性無精子症]でも約40%、 という確率で精子を見つけることができます。

 精子が見つかれば、凍結保存をして顕微授精に備えます。 精子が見つからなくても、精子になる一歩手前の後期精子細胞が見つかれば、顕微授精は可能です。

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精管精巣造影検査

どこで精子が詰まっているのかを明らかにします。

 精巣精子が正常につくられているのに、 精液中に精子がいないのは精子の通り道に何かしらの[通過障害]があることが疑われます。 精管精巣造影検査とは、その障害になっている場所を調べる検査です。 精液検査で問題があった場合に行います。

 検査方法は、まず陰嚢の上部に局所麻酔をして1cmほど切開。 次に、精管に造影剤を入れてX線で撮影すると、 精管の様子がくっきり映し出され、詰まっている場所がわかります。

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